知らないと損!心理学・行動経済学の原点本が教える、人間が持つ思考の癖!

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知らないと損!心理学・行動経済学の原点本が教える、人間が持つ思考の癖!

知らないと損をする情報は、

世にたくさんありますが、

人間心理に関する知識ほど

これに当てはまるものは他にないでしょう。

ときに、操られてカモにならないように

ときに、人を上手く操るために

ときに、自分を制御するために

人間心理の知識は、活用できます

知識を、手に入れませんか?

本『ファスト&スロー』が頼りになります。

心理学・行動経済学の原点と言われる、この本。

人間心理の肝となる知識が、ここにあります。

本書の知識を切り抜き、紹介します。

知識の切り抜き

  • 「速い思考」と「遅い思考」の働きを理解すれば、脳を上手く手懐けられる!
  • 「休憩」は、やはり人間の処理能力に大きく関わっている!
  • 「人の写真」を掲示すれば、「無人販売にお金を払わない人」を撲滅できる!
  • 心理テクニック「アンカリング」を使えば、簡単に売上UPが叶う!
  • 私たちの脳は、因果関係に引きずられやすく、統計を扱いたがらないように出来ている!
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CONTENTS

「速い思考」と「遅い思考」の働きを理解すれば、脳を上手く手懐けられる!

脳を上手く手懐けるには

アナタの頭の中で働く

2人の特徴を知ると良いでしょう。

「速い思考」君と「遅い思考」君です。

紹介しましょう

錯視図の情報を、せっせと処理する2人の存在

この図、見たこと、ありますか?

ミュラー・リヤー錯視」と、言います。

真ん中の線の長さは同じなのに

下の図の方が何故か短く見えてしまう

錯視図です。

さて、一度、目を閉じてから、また目を開き

この図を見てみてください

長さは同じ」という事実を知った後でも

やはり下の図の方が、

短く見えてしまいますよね

そして、「長さは同じ」という事実を

じっくり、ゆっくり脳に刷り込むと

やっと同じに見えてくる

ん?なんだか、2つの反応・システムが

頭の中、脳というコンピュータの中で

働いているような?

反射的に短く見てしまうシステムと

「いやいや違うじゃないか、同じ長さだよ」と

一生懸命、訂正しようと働くシステム

この2つのシステムが

私の頭の中で働いている気がする

スピード重視の「速い思考」君と、賢いけれど、のろまな「遅い思考」君

この2つのシステムは、

反射的に、自動的に反応するシステム

(速い思考=ファスト)」と

時間をかけて頭を使う熟慮熟考のシステム

(遅い思考=スロー)」

と、整理できます。

錯視図を見た時、まず「速い思考」が

情報を処理します。

「速い思考」君は、スピード重視です。

下の方が短いね!」と”安易に”判断

下してしまいます

遅れて、賢いけれど

のろまな「遅い思考」君が登場

「うん?これは錯視図じゃないか!

同じ長さだよ!」

訂正するものの、時すでに遅し

第一印象の判断は終了している…

これが、アナタの頭の中で

繰り広げられた物語です。

2人がいるから、バイアス・心理誘導には、毎回必ず訂正プロセスが入る!

錯視図の現象を説明できたように

バイアス・心理誘導への対応についても

「速い思考」君と「遅い思考」君の

物語で説明が出来ます

バイアス・心理誘導については、

よく考えれば、回避できる」と、

言われますよね。

「よく考えれば」とは、つまり

「遅い思考君を登場させれば」ということ。

「遅い思考」君は、熟慮熟考・冷静です。

これは、バイアス・心理誘導だ!」と

気付けるのは「遅い思考」君だけ

スピード重視の「速い思考」君には無理です。

「速い思考」君は、バイアス・心理誘導にも

反射で反応

“安易に”判断を下してしまい

そのため、当然のように騙される

アナタも、一度”騙された後”

「いけない!これはバイアス・心理誘導だ!」と

訂正しますよね

いきなり騙されない思考には

至りませんよね?

「速い思考」君が騙された後

「遅い思考」君が訂正する

「速い思考」君と「遅い思考」君がいるから

決まって、この訂正プロセス

”必ず”入るのです。

「速い思考」君は働き者、「遅い思考」君は、怠け者

「速い思考」君は、騙されやすい

バイアス・心理誘導の餌食になるのは

決まって、この子

「それに比べて、遅い思考くん、

君は優秀だね!」

褒め過ぎ注意です。

「遅い思考」君には、怠け癖があります。

とにかく働きたくない

だから、錯視図であっても

バイアス・心理誘導であっても

「遅い思考」君は

”わざわざ”叩き起こしてこないと

動いてくれないのです。

常に働いていないのです。

省エネ気質なのです。

だから、たまに、訂正プロセス

入らない時があるのです。

だから、たまに、たとえカラクリ

知っていたとしても、バイアス・心理誘導に

引っかかるときがあるのです。

この「たまに」は、「遅い思考」君が

怠けている時に起こっていたのです

よく「脳は現状維持を好む」と言われますが、

これは「遅い思考」君の特徴と一致します。

現状維持 = いつもと一緒

= そんなにチェックしなくていいか = 楽ちん

というわけです。

さて、反対に「速い思考」君は、

超働き者です。

少ないエネルギーで、常に

ずっと働いています

その代わり、安易な処理をしてしまうのです。

そして、「速い思考」君は、

止められない止まらない

錯視図の事実を知った後でも

短く”見え続けて”しまうのは

「速い思考」を止められないからです。

「休憩」は、やはり人間の処理能力に大きく関わっている!

休憩が、いかに重要か」を

物語る調査研究を紹介します。

仮釈放審査の調査研究:

ある国で、仮釈放の審査を担当している人たちに対して調査が実施された。

この国では、仮釈放は、却下がデフォルト許可されるのは平均35%と言われていた。

そんな状況の中でも、一時的に、許可率が65%にまで上昇するタイミングがあった。審査担当者が休憩した直後のタイミングである。

担当者には、朝・昼・午後と、3回の休憩時間が与えられていた。

休憩直後は、高い許可率となり、次の休憩に近づくにつれ、率が現象。休憩直前はゼロ近くになる。そして、休憩後に元に戻る、といったパターンが確認された。

”平均”35%なわけである

日本人は、働き過ぎだ」と言われますし、

実際、そう感じる人も多いでしょう

この調査結果を知ると、不安になりますね。

さて、この審査、働き方を改善すれば

許可率が上昇する気がしませんか?

「速い思考」君が、「却下がデフォルトだから」

と、”安易に”判断を下し

怠け癖のある「遅い思考」君が

「疲れてきたし、速い思考くんの言う通りで

もういいや。楽しちゃお」

と、投げやりの処理をしてしまっただけな

気がするからです。

「人の写真」を掲示すれば、「無人販売にお金を払わない人」を撲滅できる!

無人販売にお金を払わない人

減らしたいのなら

「こちらを見ている人の写真」を掲示すると、

良いかもしれません。

あるオフィスで実施された盗難撲滅実験:

あるオフィスに、無人販売の紅茶・コーヒーサービスが備わっていた。

頂いたら代金を箱に入れるルール。しかし、不届き者が。

代金を払わずに、飲んで立ち去る者が数人

そこで、代金表の上に、「こちらを見ている人の写真」を貼り付けた

お前の行動、見ているぞ」というメッセージを暗に伝えているわけである。

すると、劇的に改善した

改めて、「花の写真

横目で、こちらを見る人の写真

真正面で、こちらをじっと見る人の写真」を

貼り、それぞれの効果の違いを観察

「真正面の写真」の例

すると、「真正面の写真」が、ダントツに

効果があると分かりました

お困りの方は、ぜひ試してみてください。

心理テクニック「アンカリング」を使えば、簡単に売上UPが叶う!

もし売上を伸ばしたいのなら

アンカリング」という心理テクニックを

使うと良いでしょう。

アンカリングで寄付額UP実験:

ある団体を対象に寄付を募った

団体を3グループに分け、それぞれ募集のセリフを変えた

(1)

いくら寄付しますか?

(2)

5ドル以上、寄付するつもりは、ありますか?

(3)

400ドル以上、寄付するつもりは、ありますか?

結果は?

(1)は平均64ドルの寄付、(2)は20ドル、(3)は143ドルとなった。

アンカリングの使用で、約2倍の寄付額の差(1と3の比較)となったわけである。

スーパーマーケットでの実験

紹介しましょう。

「お一人様何個まで」の罠実験:

あるスーパーで、セールを行った。

かなりお値打ちの商品を用意

(1)

お一人様、何個でもどうぞ!

(2)

お一人様、12個まで

張り紙を変えて、それぞれ売ってみたところ?

アンカリングをかけた(2)は、(1)の約2倍の売上を記録した。

アンカリングの使い方は至ってシンプル。

具体的な数字を提示(アンカー)するだけです。

数字は、デタラメでOK

デタラメな数字でもアンカリング効果

生じることが、研究で明らかにされています。

逆に言えば、悪用されやすいということです。

例えば、売買の価格交渉の際

とりあえずですが、この価格で

どうでしょう?」と

仮の金額が“向こうから、はじめに

示されますよね?

「いや、もうちょっと安く/高くしてくれよ〜」

頑張って交渉。

こちらの要求が呑まれた

「しめしめ、上手くいったな

思っていましたか

アンカリングを使って

向こうは先手を打っていたのです。

手のひらの上で踊らされていただけなのです。

私たちの脳は、因果関係に引きずられやすく、統計を扱いたがらないように出来ている!

突然ですが、問題です。

電車の中で、英字新聞を読んでいる人がいました(場所は日本)。

この人は、次のどちらである可能性が高いでしょう?

(A)博士号を持っている

(B)大学を出ていない

Aでしょ

かなりの人が、こう思うはずです。

しかし、です。

博士号を持っている人の数

全国民の内、ごく少数

対して、大学を出ていない人の数は、

それなりの数います。

母数を考えれば、Bの方が

確率が高いですよね。

少なくとも、Aと即答して良いとは

思えません

にも関わらず、私たちは、自信満々に

Aと即答してしまう…

私たちの脳は、因果関係に引きずられやすい

性質を持っています。

(この話での因果関係:英字新聞を読んでいる

→頭が良いのだろう→博士号を持っていそう)

そして、特別注意しないと

どうやら統計(全国民の内など)を扱う気には

ならないように出来ているようです。

だから、私たちは「絶対、こうなるだろう!」

きっと、そうに違いない!」などの、

根拠の薄い話、オカルト話

作り上げてしまいやすいのです。

知っていることが少ない

パズルに嵌め込むピースが少ないときほど、

辻褄の合ったストーリーは

こしらえやすいのです。

そして、ピッタリ辻褄が合うと

途端に自信が湧いてくる

見たものが、知っていることが、全て」に、

なってはいけません

まとめ

以上、

  • 「速い思考」と「遅い思考」の働きを理解すれば、脳を上手く手懐けられる!
  • 「休憩」は、やはり人間の処理能力に大きく関わっている!
  • 「人の写真」を掲示すれば、「無人販売にお金を払わない人」を撲滅できる!
  • 心理テクニック「アンカリング」を使えば、簡単に売上UPが叶う!
  • 私たちの脳は、因果関係に引きずられやすく、統計を扱いたがらないように出来ている!

を紹介しました。

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この本は、何冊か心理学・行動経済学の本

読んだ後に手をつけることをオススメします

今まで学んできた心理効果・テクニックが

「速い思考」君と「遅い思考」君の物語として

整理されていく

そんな「興奮を覚える体験」が

できるからです。

原点本って、そういうことか!」と、

叫んでしまうことでしょう

もちろん、新しい知識も吸収できます

事実、私は数多く心理学・行動経済学の本

読んでいましたが、新しい学びとの出会い

多くありました

本書が上巻・下巻と別れていることからも

分かる通り、紹介される知識量は、膨大です。

ぜひ読んでみてください。

大変オススメの本です

さて、本記事では、上巻分の内容

紹介しました。

下巻分もまとめております

続けて是非お読みください↓↓

それでは、また!

出典

ダニエル・カーネマン . ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? . 早川書房 , 2014

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