17年間出版が禁じられた!?伝説の本が教える、作業効率・生産性の向上法!
17年間も、日本だけ翻訳出版が
許されなかった本があります。
『ザ・ゴール』という本です。
原著『The Goal』の初版発売は1984年。
瞬く間に売れ、全世界で
大ベストセラーになりました。
日本で売れば、間違いなく
お金になったはずです。
しかし、「この本の内容を日本人が
知ってしまうと、世界の経済バランスが崩れる」
と、著者が恐れ、禁じられました。
「改善化の鬼に、
金棒を持たせてはいけない」と。
この本には、作業効率・生産性向上の極意が
記されています。
効率アップ系の本は、数多ありますが、
「これほどパワーを持った本は、他にない」と
感じます。
せっかく解禁された、伝説のテクニック。
アナタも、金棒を持ちませんか?
本書の知識を切り抜き、紹介します。
- 各工程、順々に行なわれる作業の、生産性向上のカギは、ボトルネック!
- ボトルネック部分以外に対しての外部発注は、無意味!
- ボトルネックの前に品質チェックを挟めば、生産スピードは下がらない!
各工程、順々に行なわれる作業の、生産性向上のカギは、ボトルネック!
アナタは、工場の社長さん。
製造販売している商品は、不思議と、
ときに、大ブレイクする。
しかし、その大ブレイクの時期は
予想できない。
ブレイクが来て、慌てて生産量を
上げようとしても、スピードが追いつかず、
売上を取り損ねていた。
頭を悩ませていたアナタは、
最新の製造機器の話を聞いた。
「生産スピード爆上がり!」との謳い文句だ。
これを導入すれば、きっと!
…さて、この最新機器の導入、
「無駄金になるかもしれない」と、言ったら?
ピンポイントの作業効率アップ。的を外すと無意味になる!
工場は、たいてい複数の工程を経て、
商品を製造しています。
そして、工程ごとに機器があります。
例えば、
機器A:1時間に6個の製造が可能
機器B:1時間に4個の製造が可能
機器C:1時間に2個の製造が可能
機器D:1時間に8個の製造が可能
の機器があり、「A→B→C→D→完成!」の
工程があるとしましょう。
最新機器の話は、機器Dに当たる部分だった。
なんと1時間に20個の製造が出来るらしい。
導入しますか?
しませんよね。だってD工程で、
20個製造出来るようになっても、
C工程からやって来るのは
1時間に2個ずつだけなのですから。
導入しても、D工程を経て製造されるのは、
結局2個のままです。
ボトルネックを見つけ、改善することがスピードアップのコツ!
では、どの工程の機器を最新にすることが
最も効果的なのでしょうか?
Cですよね。
工程Aで、Bで、仮に20個
作れるようになっても、工程Cで
結局2個のスピードに戻されてしまいます。
…ボトルネック。
まるで、ボトルの首のように、
製造能力が、すぼまっている部分。
ボトルネックを見つけ、そこを改善することが、
スピードアップのコツです。
もちろん、5個以上の機器効率アップは
無駄ですよ。
結局、工程Bからは4個しか
流れてこないのですから。
生産スピードは、ボトルネックで調整できる!
大ブレイクの時には「1時間に4個ぐらいの
ペースでの製造がベストだ」と分かった、
アナタ。
さて、どうしますか?
…そうです。
ボトルネックCの機器を改良し、
4個以上の機器効率にすれば良いのです。
ボトルネックが工場全体の製造スピードを
左右するのですから、違う見方をすれば、
「工場全体の製造スピードは、
ボトルネックで調整できる」ということです。
需要を、ボトルネックの生産スピードと
合わせてみましょう。
ボトルネック部分以外に対しての外部発注は、無意味!
「弊社は、御社のB工程を手伝えます」
外部発注の営業を受けた、工場社長のアナタ。
各工程は、先ほどと同じ。
機器A:1時間に6個の製造が可能
機器B:1時間に4個の製造が可能
機器C:1時間に2個の製造が可能
機器D:1時間に8個の製造が可能
どうしますか?
そうです。お断りしましょう。
仮に、外注の助けで、工程Bで、
1時間に10個作れるようになったとしても、
ボトルネックCのせいで、工程全体では、
2個のスピードのままです。
外注を検討するなら、
ボトルネックCの部分です。
Cの外注体制を整えれば、
例えば、大ブレイクの際に、大助かりです。
外注先でCを2個作って貰えれば、
機器Cを改良しなくても、
ブレイク時のベストペース4個の製造が
可能になりますから。
外注を使うと、経費がかさむ?
取り逃がす売上と、外注費を比べてみましょう。
ボトルネックの前に品質チェックを挟めば、生産スピードは下がらない!
ふたたび、頭を悩ませる工場社長のアナタ。
不良品が発生してしまったのだ。
品質チェックをしなければならない。
しかし、今は商品の大ブレイク中。
生産スピードは、極力落としたくない。
各工程は、先ほどと同じとして、
機器A:1時間に6個の製造が可能
機器B:1時間に4個の製造が可能
機器C:1時間に2個の製造が可能
機器D:1時間に8個の製造が可能
アナタは、どうしますか?
…そう、工程C(ボトルネック)の前に
品質チェックを挟むのです。
工程B開始→4個製造→品質チェック
品質チェックの結果、
4個の内、1個不良品となった。
チェックをクリアした3個が、C工程に回る。
3個がC工程へ→2個製造→D工程へ
…そうです。
チェッククリアした個数≧ボトルネック製造個数
であれば、生産スピードへのダメージは、
ゼロにできるのです。
これが最後のチェックだけであれば、
どうでしょう?
ボトルネックCのせいで、工程全体で
1時間に2個しか作れないのに、
内1個が不良品だったら?
生産スピードは半減です。
ボトルネック部分の時間は、
無駄にしてはいけないのです。
まとめ
以上、
- 各工程、順々に行なわれる作業の、生産性向上のカギは、ボトルネック!
- ボトルネック部分以外に対しての外部発注は、無意味!
- ボトルネックの前に品質チェックを挟めば、生産スピードは下がらない!
を紹介しました。
なに、この分厚い本!?
読み切れるかなぁー
本書の約3.5cmの厚みを前に、
誰しも、こう思うことでしょう。
でも、ノープロブレム。
物語形式で書かれているため、
小説を読むように、スラスラ読めます。
むしろ「そこら辺のビジネス書より
読みやすい」と思えるほどです。
読みやすい名著にトライしてないなんて、
勿体無いですよ!
本記事で紹介していない内容も盛り沢山なので、
内容に興味を持たれた方!
ぜひ、手に取って読んでみてください。
大変オススメの本です!
それでは、また!
出典
エリヤフ・ゴールドラット . ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か . ダイヤモンド社 , 2001